キリンレモン(麒麟麦酒、キリンビバレッジ)
 キリンレモンの発売は1928年(昭和3年)である。当時、麒麟麦酒は清涼飲料水を製造しておらず、キリンビールを一手販売していた明治屋が「ダイヤモンドレモン」という商品を販売していた。
 1927年に明治屋はキリンビールの一手販売契約を解除し、明治屋キリンビール販売部門が麒麟麦酒に移籍されるのに伴って同社の定款に「飲料の製造販売」が加わり、次の年の1928年(昭和3年)に「キリンレモン」として発売された。

 開発のコンセプトは「天然素材だけを使った本物の味」ということで、当時のサイダーは色付きであったのに対し、キリンレモンは無色透明であり、また、原料に台湾産の白ザラメ、香料に天然のレモンライムフレーバーを使用したため、当時の価格はアンパン1個が5銭の時代に25銭もした高級品であった。無色透明の瓶を使用したのも、着色料を使用していないことを強調するため採用されたのである。(1992年から販売された「キリンレモン セレクト」は開発コンセプトからすれば先祖返りということになる。)
 また、当時のサイダーはアップルフレーバーが主流であったのだが、レモンライムフレーバーを使用したことを強調するため、商品名も「キリンレモン」と名付けられた。なお、「キリンサイダー」や「キリンシトロン」という商品は当時すでに存在していた。(当時のポスターにそれらの商品名が見受けられる)

 キリンレモンというと「さわやかさん」の愛称で呼ばれるイメージガールが思い浮かぶが、変遷は以下の通りである。

 なお、1991年に販売がキリンビバレッジに移行してからTVCFに出演した田中律子(1991年)、Key West Club(1992年)、稲森いずみ(1994年)、ともさかりえ(1995年)等のCMタレントは、「さわやかさん」とは言わないので御注意願いたい。

 キリンレモンには1984年から1991年の間、「キリンレモン2101」という商品が存在していた。TVCFには「さわやかさん」とは別に南野陽子を起用していた。
 1992年は微炭酸飲料、レモン水ブームが流行し、それに対応して微炭酸・レモン果汁入りの「キリンレモン セレクト」を発売した。販売の主力はこちらに移り、現在に至っている。

●キリンレモン

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1)キリンレモン/麒麟麦酒/4901411222110/250ml/1990年
2)キリンレモン/キリンビバレッジ/4901411236018/350ml/1991年
3)キリンレモンライト/キリンビバレッジ/4909411000110/350ml/1991年

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4)キリンレモン/キリンビバレッジ/-/200ml
5)キリンレモン/麒麟麦酒/-/340ml
6)キリンレモン/麒麟麦酒/-/1000ml

●キリンレモンセレクト

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7)キリンレモンセレクト/キリンビバレッジ/4909411212414/350ml/1992年
8)キリンレモンセレクト/キリンビバレッジ/4909411212414/350ml/1995年
9)キリンレモンセレクト/キリンビバレッジ/4901411288310/350ml/1992年
10)キリンレモンセレクト/キリンビバレッジ/4901411288310/350ml/1995年

●台湾版キリンレモン

 キリンビールよりライセンスを受け、台湾で販売されたキリンレモン。

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11)麒麟汽水(Kirin Soda)/台湾パインアップル/4717101302013/350ml/1990年


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