当時、天然果汁飲料はホームユースでは伸びていたが、アウトドアユースでは、飲料感が重いせいか、伸び悩んでいた。そこでキリンビバレッジは「微炭酸・高果汁」という相反する飲料ジャンルを融合させることにした。
このような商品は初めてであり、炭酸飲料、果汁飲料どちらから見ても中途半端なポジションにあるため、販売について危惧された向きもあったが、開発者の予想は当たり、当年発売のカルピスウオーターには及ばなかったものの、同業他社からも類似商品が多数発売されるほどのスマッシュヒットとなった。
「シャッセ(Chasse)」とはダンス用語で「シャープなペアのステップ」という意味である。手垢の付いていない新鮮な言葉であることがネーミングの採用理由である。これは炭酸飲料と果汁飲料という2つのジャンルの中間に位置することも意識されたようである。テレビCMには当時売り出し中の観月ありさを起用、油絵のアニメーションという意表をついた内容も話題となった。
シャッセは1993年にパッケージを変更し1995年まで販売されたが、ここ最近のウオーター系飲料ブームに鑑み、1996年に発売された「天然育ち」に道を譲り、終売となった。