コカ・コーラとサンタクロース


 コカ・コーラの積極的な広告活動は有名な話であるが、マーケティング担当者にとっては、コカ・コーラの味をいかに視覚化するかが問題であった。
 その結論としてコカ・コーラは、当時(20世紀前半)有名だった画家に広告イラストを描いてもらうという戦略を選択した。有名なのはノーマン・ロックウエルのイラストであるが、もう一つ有名なのが、ハドン・サンドブロム(1899-1976)が描いた「サンタクロース」である。

 アメリカの家族にとって、クリスマスは一年で一番大きなイベントである。メイフラワー号に乗り、イギリスでの迫害を逃れ新天地にやって来た彼らにとって、ようやく落ち着いて休息できたのがクリスマスだったからである。年間最大のセールスチャンスにおいて、1930年代のコカ・コーラ社が考案したクリスマスキャンペーンは、より温かみのある人間的なサンタクロースを広告に登場させることであった。

 それまで、サンタクロースは小さな妖精のイメージで、衣装も青、緑、白などさまざまな色で描かれていたが、当時すでに有名な画家であったサンドブロムは、誰にでも親しまれるよう、赤と白の鮮やかな衣装のサンタクロースを登場させたのである。衣装の赤というのは、もちろんコカ・コーラのコーポレートカラーの赤である。以来サンタクロースの衣装は赤と白が国際的決定版となったのであった。

 最初の「サンドブロムのサンタクロース」は1931年、サタデー・イブニング・ポスト誌上に登場し、1964年まで毎年クリスマスシーズンのコカ・コーラ広告に登場していた。

 日本においては、1990年のクリスマスシーズンにマクドナルドハンバーガーのチキンナゲットの景品として登場し、翌年の91年からはスーパー・コンビニ等一般市場でも販売が開始された。しかしながら販売時期が特定されてしまう為(某沖縄地方の離島ではお盆まで売れ残っていたらしい)、ここ数年は大都市を販売エリアに持つボトラーでの販売にとどまりつつあったが、クリスマス休暇の普及(天皇誕生日という格好の理由もあるが)に伴い、サンタ缶を扱うボトラーは増加している。1998年は「もう出さない」と製造課長がおっしゃっていた沖縄コカでも缶入りが販売された。

 コカ・コーラのサンタ缶人気に便乗し、1996年にはダイエーのプライベートブランドであるセービングコーラでサンタクロース缶が販売されたが、掲載イラストの品の無さ(有名イラストレーターが描いていれば…)が災いしたのか、その年限りの販売となってしまった。

2000年版のコークサンタ缶

1)2000年/コカ・コーラナショナルセールス(近畿コカ販売製品)

過去の日本版サンタ缶とダイエーセービングコーラ

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2)1991年/三国コカ・コーラ
3)1992年/東京コカ・コーラ
4)1993年/東京コカ・コーラ

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5)1994年/富士コカ・コーラ
6)1995年/富士コカ・コーラ/"Refreshing Surprise"(1959)
7)1996年/東京コカ・コーラ/"Season's Greetings"(1962)

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8)1997年/コカ・コーラナショナルセールス/"They Rememberd Me"(1942)
9)1998年/コカ・コーラナショナルセールス
10)1999年/コカ・コーラナショナルセールス

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11)セービングコーラ/ダイエー/4909609541869/354ml/1996年/クリスマス缶

海外製造版

12)1995年/アメリカ/"The Pause That Refreshes"(1958)
13)1995年/アメリカ/"When Friends Drop In"(1961)
14)1995年/アメリカ/"Things Go Better With Coke"(1964)
15)1996年/ポルトガル/"Refreshing Surprise"(1959)
16)1996年/香港/"Refreshing Surprise"(1959)
17)1996年/香港/"The Pause That Refreshes"(1958)
18)1996年/香港
19)1995年/ブラジル/"Refreshing Surprise"(1959)
20)1996年/ブラジル/"Season's Greetings"(1962)
21)1997年/イタリア/"Refreshing Surprise"(1959)

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