観缶楽学 第2話

 女房と缶ジュースは新しいほうが?

 日本国内で一年間に発売される缶ジュースの種類は
800から1000種類といわれています。しかし、ご存じの
通り、翌年まで生き残る商品は、その中のほんの一握
りの商品です。

 どんなに大ヒットした商品でも2、3年でパッケージ
のモデルチェンジが行われることは日常茶飯事ですし、
ある大メーカーの製品で、発売前から大々的な宣伝を
したにもかかわらず全く売れず、たった3ヶ月で味を
変え、半年後には自販機からも消えてしまったことも
ありました。
 ですから、今日コンビニや自販機で見た缶ジュース
が後日そこに行った時まだ売っているとは限りません。
「見たら即買え」というのが、缶ジュースコレクター
の間では鉄則です。

 豊葦原の瑞穂の国である我がニッポンは高温多湿で
物が腐りやすいのが理由なのでしょうか、何でも新し
い物が好まれるのは、車でも畳でも奥さんでも同じで
す。何たって神様(伊勢神宮)でさえ20年に1度住まい
を替える国ですからね。総理大臣でさえ、中身よりも
鮮度が大事なようですし。

 味をより良くしたとか、栄養成分を増やした、とい
う変更だったら意義があると思います。あのコカ・コ
ーラでさえ、販売戦略に合わせ、数年毎にパッケージ
デザインを変更しています。アメリカでは、十数年前
に味も変えたこともあります。しかしこれは「世紀の
大失敗」と言われ、味を元に戻してしまいましたが。
 ですから、モデルチェンジが悪いということではあ
りません。しかし、日本の製品は目新しさだけを追う
だけのモデルチェンジが多いので幻滅しているのです。
 まあ、コレクターからすれば、無闇矢鱈なモデルチ
ェンジは非常に嬉しい限りなのですけどね。財力と置
き場所さえ確保できれば。

 話を元に戻しますが、今までの収集物を見ていると、
企業のあり方が商品のあり方を決めてしまっている気
がしてなりません。これについては次の機会に。

戻る