あれこれ書き綴ってきたこの連載もこれが最後です。 今回は清涼飲料の話から離れ、我がふるさと新潟市に ついて思うことを書きたいと思います。 二十代の頃、バブル真っ只中の東京で仕事をしまし た。日々の生活の中でも、新しい物事に触れることが できました。すでに新幹線も高速道路も新潟まで通じ ており、文化的にも東京と差は無いだろうと思って新 潟に戻りました。しかし、その期待は見事に裏切られ ました。 街はきれいになり、東京のお店も増え、見た目には 華やかになりました。でも、中身が伴なっていないの です。日常必要なものはあふれるほど売っているので すが、どこの店も同じ物しか売っておらず、ちょっと 毛色を変えて生活を楽しもうと思っても、そういう 「くすぐり」のある物が見つからないのです。 つまり、新潟は「ただ暮らすには良い街であるが、 よりよく暮らすには最悪の街」という気がします。 どこが東京と違うのでしょう。それは「情報」にあ ると思います。情報は受信し発信しあうものですが、 新潟では受信も発信も力が弱い。どんなに良い話でも 否定されてしまう。これでは何も変わりません。何の 進歩も無く同じことをやっていたのでは通用しないの が、今の世の中ではありませんか? 現在では個人が安価に情報を発信し受信できるメデ ィアはいくらもあります。でも、お金をかけなくとも、 心にアンテナさえあれば、いろいろな情報を受信し発 信できるのではないでしょうか。そうすれば、今の生 活を何倍にも楽しく便利にすることができるはずだと 思いませんか。 我がふるさと新潟市。もっと発展してほしいと思っ ています。でも、街の外観だけではなく、内面からも 充実した街になってほしいものです。今後、少しでも そのお手伝いができることを願い、ペンを置かせてい ただきます。