Dr.久須美のドリンク研究所 第11回

 
「おーいお茶」の季節限定品
ひと足先に春の味わいを。


 伊藤園から「おーいお茶」の季節限定品「春茶」が発売された。
春にふさわしい香りと甘味を持つ茶飲料を作り出す、原料と製法の
秘密を探る。

 今年は暖冬なのか、昨年に比べれば
私の住む新潟市は雪も非常に少ない。
この原稿を書いているのは立春の2月
4日だが、気温は3月上旬並み。暦通
り春が来たのではないかと思うほどで
ある。

 さて、今回紹介するのは伊藤園から
発売された「おーいお茶・春茶」であ
る。おーいお茶といえば、缶入り日本
茶のパイオニア。夏枯れの傾向が強い
日本茶を夏でも販売するために考え出
されたのが缶入り茶飲料であったと言
われている。

 実は今回の「春茶」、意外なことに
春物商品ではなく、春を待ち望む冬に
春の味わいを楽しむべく制作された茶
飲料である。九州産の玉露とかぶせ茶
を強めに火入れした強火緑茶を使用す
ることにより香り立ちを高め、40度の
低温長時間抽出により甘味を引き出し
ている。

 普通緑茶飲料というと、日本茶の渋
みを敢えて残す作りにしているものが
多い。しかし、この春茶は甘味が強く、
渋みはほとんど感じない。甘いと言っ
ても砂糖の甘味ではなく、お茶の自然
な甘さであるので、食事のお供でもま
ったく問題は無い。

 冬来たりなば春遠からじ。寒い寒い
と言っていても、春は確実にやって来
る。それまではこの春茶を飲みながら、
春の訪れを待っていよう。
●試飲コメント

玉露が入っていることもあり、無糖飲料ながら、
甘味が非常に強い。緑茶の渋みもほとんど感じな
い。非常に奥深い味である。

●五段階評価

甘さ 4
香り 3
渋み 1
緑茶度 3
深み 5


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