この春の新製品として、飲料メーカー数社から中国緑茶が発売さ れた。「中国茶=烏龍茶」というイメージが強いなか、どうして中 国緑茶飲料が多数登場したのか、その理由を探る。
今回紹介するのはサントリーの中国 緑茶。中国というと烏龍茶をたくさん 飲んでいるイメージが強いが、実は緑 茶の方が多く飲まれているらしい。つ まり我々日本人は、サントリーの巧み な宣伝戦略にマンマとはまってしまっ たわけだ。
この春はなぜか中国緑茶が同業他社 からも多数販売されることになった。 しかし、最近になって発見された物で はなく、92年にはカネボウから販売さ れ、また、ローソンの緑茶は当初から 龍井(ロンジン)茶という中国緑茶を 使用しているので、日本人が初めて味 わうフレーバーというわけではない。
では、どうして今年は中国緑茶が多 数発売されたのだろう。考えてみたら、 今年は中国と日本の国交が回復してか らちょうど30年。パンダが来たのも、 烏龍茶を日本人がよく飲むようになっ たのも、佐渡にトキがやって来たのも、 これがきっかけだったわけだ。30周年 という節目で、中国産の新しい飲料と いうことで各社が注目したのだろう。 さて、中国の緑茶と日本の緑茶の違 いは何か。それは日本の緑茶が茶葉を 蒸すのに対し、中国の緑茶は釜で煎っ て作るという製法の違いだ。そのため、 香りや味が同じ緑茶でもまったく違う。 日本の緑茶を飲み慣れた我々にとっ てはクセのある味であるが、緑茶の新 しい味わいを教えてくれることだろう。●試飲コメント
緑茶と番茶の中間のような水色。日本の緑茶の ような渋みは無い。コクがあるせいか、やや青臭 く感じるかもしれない。
●五段階評価
香り 2 渋み 2 甘さ 3 コク 4 中国度 5