サントリーの「涼屋」は小粋な日本の夏の「涼み」を味わいでも パッケージでも楽しめる夏季限定の麦茶。涼屋のコンセプトから、 サントリーの宣伝戦略を考察する。
サントリーの宣伝の巧みさは定評が ある。まだ輸入洋酒が高嶺の花だった 頃、「世界の名酒サントリー」という コピーを信じて疑わなかったし、「中 国茶イコール烏龍茶」というイメージ を植えつけてしまったのもサントリー である。 サントリーの宣伝の特徴は「歴史や 時間を感じさせる」ところにある。清 涼飲料だと丸茶印の緑茶。京都という 古都を背景とすることにより、缶入り 日本茶としては後発製品であったにも かかわらず大ヒット商品となったし、 「なっちゃん」は田中麗奈扮する女優 なっちゃんの成長と共に商品も成長、 定番果汁飲料となっていった。 今回の「涼屋」は麦茶であるが、盛 夏の江戸のイメージであろうか。パッ ケージは4種類。朝顔・豆絞り・金魚 ・ひょうたんという粋なてぬぐい柄に なっている。デザインは東京・代官山 の有名てぬぐい店「かまわぬ」の協力 だ。(サントリーのホームページから、 同じデザインのパソコン用壁紙がダウ ンロードできる) 中身もただの麦茶ではなく、隠し味 に緑茶を入れたものになっている。ど うしても麦茶は薄っぺらな味になって しまうことが多いが、緑茶のせいか、 コクのある味になっている。 浴衣に涼屋、団扇も持てばまさに夏。 蝉の鳴き声も聞こえてきそうだ。●試飲コメント
他社の麦茶よりも水色が濃い。味もコクのある 味付になっており、ほのかに甘い。隠し味に緑茶 が入っているせいか。香りも独特。
●五段階評価
甘さ 2 コク 4 渋み 0 香り 1 清涼感 5