Dr.久須美のドリンク研究所 第34回

 
オンナノコ以上オンナノヒト未満。
微妙な世代に贈るブルーローズ。


 キリンの「午後の紅茶・ブルーローズ」はバラの香りと花蜜のほ
のかな甘さの紅茶飲料。長寿商品が必ず突き当たる「商品ターゲッ
ト年齢層の上昇」に午後の紅茶はどのように対応したのだろう?

 キリン「午後の紅茶」。86年に発売
以来、紅茶飲料の定番として確固たる
地位を築いている。女子高校生から人
気が出たと言われている。それから16
年。当時の女子高校生も既に30歳前後。
大人の女性になっていることだろう。
 この年齢を午後の紅茶のCMタレン
トと照らし合わせてみてほしい。90年
代は小泉今日子。そして昨年まではオ
ードリー・ヘップバーン。いつの間に
か大人の女性がターゲット層になって
いる。それを危惧したのか、数年前に
「ベビーリーフ」という若年層向けの
製品が販売されたが、大きなヒットと
はならなかった。
 そして、今年の春からはCMタレント
に優香を起用。この優香というのが、
なかなか微妙なポジションにある。高
校生よりは大人だが、大人の女と言う
には幼い。つまり、女子高校生がちょ
っと背伸びすればなれる憧れの女性を
演じさせることにより、商品のターゲ
ット年齢を当初の年齢に戻そうとして
いるわけだ。バラをパッケージのモチ
ーフとしているのも、大人への憧れを
表しているのだろう。
 今回紹介する「ブルーローズ」、青
いバラの花は自然界に存在しないこと
から「あり得ない事」という意味もあ
るそうだ。飲んでみると、確かに今ま
であり得なかった味である。ちょっと
背伸びの大人の味、試してほしい。
●試飲コメント

 香りはまさにバラの香りだが、慣れていない人
にはちょっとキツいかも。口に含んでも、バラの
味(?)がする。甘さは控えめ。

●五段階評価

甘さ 2
酸味 0
紅茶感 3
香り 4
オトナ度 5


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