カネボウフーズの「のみごろ果実 春梅」は、花の蜜に包まれた 小さな梅をイメージした、梅の爽やかな酸味がやさしい果汁飲料。 国産の果実を使用した果汁入り飲料の歴史をふりかえる。
国産の果実というと、ミカンやリン ゴを思い浮かべると思う。 国内で果物はそのまま食べることが 多いが、海外ではジュースとして飲む ことが多いそうだ。愛媛ミカンも生食 用としてアメリカやカナダに輸出する つもりだったが、ジュースとして流通 していることの多いことがわかり、日 本でもミカンジュースの製造を行うこ とにしたそうだ。 また、果実の大きさや傷などの問題 で出荷できない果実を利用できること からも、ジュース化はメリットがある。 91年の台風19号でも、青森では大量に 木から落下したリンゴをジュースにし て販売したという記録が残っている。 梅も食べるとなると梅干くらいしか 思いつかないが、最近では梅ドリンク も多くなってきた。梅の名産地である 和歌山県でも地元メーカーが梅ドリン クを製造している。 最近は春になると梅ドリンクが多く 出回っているが、今回紹介するカネボ ウの「春梅」もその一つだ。梅果汁だ けだと酸味が強いが、リンゴ果汁との ブレンドで、適度な酸味と甘味を持ち、 飲みやすくなっている。 さて、このコラムも今回が最終回。 数多くの清涼飲料水を紹介してきたが、 お役に立っただろうか。今後も研究成 果をどこかで発表することができれば 幸いである。またどこかで会おう!●試飲コメント
梅の香りを強く感じる。梅果汁のみでなく、り んご果汁も入っているので、梅独特の酸味も少な く飲みやすい。甘さは普通の果汁飲料並み。
●五段階評価
香り 4 果実感 2 甘味 3 酸味 2 春らしさ 5