生物はレトルトパック、飲料は防湿パッケージになっています。基本的に温めるものは温めて、水やお湯を入れて溶かすものは指示が袋に書いてあるので、その通りにすれば食べることができます。 マッチが付いているので、水と鍋と燃料となるものさえあれば、指示の通りに食べる事ができます。もしも火や水が無い場合でも食事ができるよう、内容に工夫がなされています。もちろん食事用のスプーンも付いているので、いざという時は直接袋から食べれば、食器も要りません。 |
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Ham Slice(ハムスライス) 今回はお湯で温めて食べました。スープで煮込んであり、非常に柔らかくなっています。どうしてスプーンだけしか付いていないのかよく分かりました。味はSPAM(沖縄名物のランチョンミート)と同じです。今回の 内容物の中で一番経年変化が懸念された物ですが、何ともなかったのはレトルトパックだったからでしょうか。 |
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Orange Nut Cake(オレンジナッツケーキ) オレンジとナッツ片が練り込まれたケーキです。これも色は悪くなっていましたが、味は何ともありませんでした。アメリカのケーキというと、非常に甘ったるいものを思い出しますが、そんなに甘くありませんでした。 |
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Crackers & Cheese Spread(クラッカーとチーズスプレッド) クラッカーは一辺10センチもある巨大なものが2枚付いています。ハムといっしょに食べるか、チーズスプレッドを付けて食べるようです。チーズスプレッドは乳製品なので、変質していないか気になりましたが、レトルトパックだったせいか、やや薬臭く、色も悪くなっていますが、食べる分には問題ありません。味は塩味でした。 |
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Fruit Mix(フルーツミックス) フリーズドライになっているので、そのまま食べるか、水で戻し て食べるようになっています。今回は水で戻して食べました。内容はオレンジ、バナナ、チェリーをシロップで煮込んだものでして、非常に甘いです。チェリーは着色料で蛍光ピンク色になっていました。デザートとしては充分です。(写真を撮るのを忘れてしまいました。すみません) |
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Cocoa Beverage Powder(ココア粉末) これはレトルトと同じ防湿パッケージに入っていたので、全然固まっていませんでした。充分飲めましたが、何となく後味が良くなかったのは変質していたからでしょうか。 |
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Beverage Base Powder Grape(グレープジュース粉末) 中にアルミ箔を張ってある紙パッケージだったので、袋のつなぎ目から湿気が入り、固まっていました。しかしながら、水に溶かしたら一発で溶けたのはすごかったです。入れる水の量は12オンス(355ml)。これは缶ジュースの内容量と同じです。味もさほど甘くありません。食事に合わせたのでしょう。 |
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盛りつけ例。3年前に久須美が沖縄で購入した米軍のミールトレイを使用。アイテムはトレイの凹みにぴったり収まる。
トレイの上段左から、クラッカー、フルーツナッツケーキ、フルーツミックス(水で戻す前の状態)、下段左からチーズスプレッド、ハムスライス、塩とガム。飲料は上からグレープジュース、ココア、コーヒー(ミルクが溶けずに固まっている)
試食中のワンタッチ江崎。(顔は本人の希望によりモザイクをいつもより多目にかけております〜)
9年以上経過している割にはちゃんと食べられたのは意外でした。「保存料をたくさん使っているからだろう」なんて「買ってはいけない」派の人は思うでしょうが、そんな事は気にしていられないと思います。それよりも「食事をするためのシステム」が緻密に考えられていることが分かったのが大きな収穫です。
Cレーションの袋一つあれば、必要かつ充分な食事が世界中どこでも摂取できるのです。それも「エサ」という感覚ではありません。日本人が戦争に負けるのも無理がありません。極限状況でも使えるシステムを考えられないのが日本人の弱みだと思います。
たとえば、地震の時の非常用食料を考えるとします。日本人だったら乾パン、缶詰、レトルト食品(カレーやお米)を考えると思います。しかし、何日も味気ない乾パンで耐えられますか。缶詰があっても缶切りが無かったらどうしますか。水やお湯を用意できない状況で、お湯で温めないとおいしく食べられないレトルト食品をそのまま食べますか。食器が無かったらどうしますか。Cレーションは、そういった状況を全てクリアしているのです。
内容がアメリカ人(それも兵隊)向けということで、日本人の中高年の口に合わないかもしれませんが、非常用食料としての価値は非常に高いと思います。日本でもこのような「システムとしての食事」が考えられた非常用食料が開発されることを望みます。それまでは、何かの機会に数食購入しておくというのも良いかもしれません。
(ワンタッチ江崎)